音楽の授業づくりジャーナル 第5号 追加資料

音楽の授業づくりジャーナル 第5号 追加資料

5 ハイドンの弦楽四重奏曲1番

録画資料3

ハイドンの弦楽四重奏曲について,子どもたちへ

飯森 豊水 

みなさん,「ドドミミソソミ・」というメロディーをもとに音楽をつくってましたよね。楽しいでしょう?

(子ども:はい)

つくることってすごく楽しいですよね。

(子ども:は〜い)

 クラシックの音楽っていうと,これは名曲だから静かに聴いて,って言われたりするけど,ハイドンの時代ってそんな堅苦しいことはなくて,1回演奏したらもう終わり,次はまた新しい曲,というふうにどんどん新しい曲をつくっていったんです。君たちが音楽つくるの楽しい!っていうのと同じような,当たり前のこととして,作曲家たちもどんどん音楽をつくっていたんですね。

 今みんなが弾いたメロディーのもとは,ハイドンが60歳頃つくった有名な旋律の一部なんですよね。現在では交響曲第94番という番号で整理されているので,「ハイドン」,「交響曲」、「94」で検索すると見つかります。

 それに対して今からきいていただくのは弦楽四重奏曲1番といって,ハイドンがまだ25歳頃の作品です。弦楽四重奏曲というのは,みなさんからも見えるように,ヴァイオリン2人と,ヴィオラ,そしてチェロでやる音楽です。4人でやると寂しくないかと思うかもしれないけど,すごく響きが豊かなのね。ここから一人抜けると,たとえばヴァイオリンが2人いるから1人抜けると,もう全然違う響きになるんです。

 この楽器の組み合わせで作曲した人は当時ほかにもいたけれど,ハイドンもどんどんいい曲をつくっていった,全部で68曲つくったんですね。それがあまりにもすばらしいからハイドンは「弦楽四重奏曲の父,お父さん」,と呼ばれている。それくらい彼は弦楽四重奏曲を書くのが得意だったんです。

 この中に今から聴きますが,「呼びかけと答え」がちゃんと出てきます。それがすごくわかり易いところと,よく聴かないとわからないところといろいろあるので,聴く方もよく聴いて,たぶん2回ぐらい聴いた方がよく分かるかもしれない。それを自分の中で探してみてください。

 それでは演奏を聴いてみましょう。